近年、ビジネスシーンではSMS(ショートメッセージサービス)の活用が増えています。SMSといえば通知や認証のイメージが強いですが、実はマーケティングにも有効なことをご存じですか?この記事では、SMSマーケティングの概要やメリットから、具体的な活用事例まで解説します。SMSを使って効率的に商品やサービスを訴求したいとお考えの方はぜひ参考にしてください。
SMSマーケティングとは?
SMSマーケティングとは、電話番号だけで短文のやり取りができるSMSを用いたマーケティング手法のことです。
SMSは、スマートフォンやフィーチャーフォン(ガラケー)に対してテキストメッセージを送信でき、各携帯キャリア間で共通利用が可能です。また、SMSは個人の携帯電話番号宛に直接メッセージを送るため、メールに比べて到達率や開封率が高いといわれています。こうした特徴から、SMSは商品やサービスを効率的にアプローチするためのマーケティング施策にも使われるようになりました。
一般的に、メッセージによるマーケティング手法といえば、メルマガ(メールマガジン)などの「メールマーケティング」を取り入れる企業が多いでしょう。しかし、メールの場合は到達率や開封率の低さが課題となっています。
その点、SMSの場合は相手の電話番号宛に直接配信されることと、携帯端末のプッシュ通知で相手が受信に気づきやすいといった特徴があります。そのため、メールマガジンの平均開封率が22%*なのに対し、SMSの開封率は99%*と非常に高い数値です。とりわけ海外では、メールよりもSMSマーケティングが主流となっていますが、今後日本でもSMSマーケティングは浸透していくと予想されます。
SMSの概要やメールとの違いをさらに詳しく知りたい方は「SMSとは?メールとの違い・メリットや送信方法、企業の活用例を紹介」の記事も併せてご覧ください。
※出典2:デロイトミック「ミックITレポート2022年10月号:A2P-SMSの配信数と売上高の現状(38.9億通207.6億円)と中期予測」
SMSマーケティングを行う5つのメリット
前述のように、今後さらなる発展が見込まれるSMSマーケティングですが、SMSをマーケティングに利用することには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?ここでは、企業がSMSマーケティングを行う5つのメリットを詳しく解説していきます。
携帯電話番号だけで送信が可能
SMSは、メールアドレスなどを知らなくても、相手の携帯電話番号さえ分かればメッセージを送信できます。特に携帯電話番号は端末1台につき1つの番号しか割り当てられません。さらに、携帯キャリアを変えたとしてもMNP(携帯電話番号ポータビリティ―:携帯会社を変更しても、電話番号を変更せずに移転先の会社のサービスを利用できる制度)により電話番号の変更は不要であるため、同じ電話番号を長期間使い続けることが一般的です。
一方、メールアドレスの場合は、同じ人が複数のメールアドレスを持つことができます。また、メールアドレスは変更や削除も容易にできてしまうため、メッセージの送信側からすればデメリットといえるでしょう。
こうしたことからも、携帯電話番号だけで送信可能なSMSはマーケティング活用に向いています。
到達率・開封率が高い
SMSの到達率・開封率の高さはマーケティング活動において、とても大きなメリットです。前述のとおり、メールマガジンの平均開封率は22%といわれますが、SMSの場合は到達率・開封率99%と、とても高いことが特徴です。
SMSの開封率・到達率が高い要因に、携帯電話番号宛てにメッセージが配信されることが挙げられます。携帯電話端末においては、SMSの到着を知らせるプッシュ通知がデフォルトで設定されていることが多いため、メッセージに気付かれやすく、開封されやすい仕組みとなっています。
一方、メールの場合は到達したとしても迷惑メールフォルダに分類されてしまうこともあり、受信に気づかれにくいことから開封率が低い傾向となっています。
視認性が高い
視認性の高さもSMSのメリットです。現在、SMSはメールに比べて利用者数が多くないため、ほかのメッセージに埋もれにくいという特徴があります。メールの場合はメルマガなどの受信数が多いため、メールボックスが未読で溢れている方も少なくありません。
また、SMSは短文のテキストメッセージなので、読み手の負担が小さく、要件が伝わりやすいことも特徴として挙げられます。近年では、画像やデザインに凝ったHTMLメールも増えていますが、内容が充実するほど、読み手の負担が大きくなります。読み飛ばされたり、開封すらされなかったりするため、結果的にSMSの方が内容を伝えやすく、費用対効果が高いといえるでしょう。
幅広い年代にリーチできる
SMSは年代問わず、幅広い層に向けてメッセージ送信が可能です。SMSを利用する際には、メッセンジャーアプリなどをダウンロードする必要もなく、携帯電話番号さえ分かれば送信できるため、モバイル端末を持っているほぼ全ての方が送信対象となります。さらに、スマートフォンに限らず、フィーチャーフォン(ガラケー)でも利用できるため、より幅広い層へのアプローチが可能です。
特にSMSはメールに比べて操作も簡単で、テキストだけのシンプルな設計なので、「メールやLINEよりも使いやすい」と感じている人もいるでしょう。メールやSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)だけではアプローチしきれない層にも通知できるのがメリットです。
なお、SMSとSNSの違いについて詳しく知りたい方は「SMSとSNSの違いとは?機能比較や使い分け方についても解説」の記事をご覧ください。
コストパフォーマンスが高い
コストパフォーマンスの高さもSMSの大きなメリットです。
SMSは送信時に1通ごとに費用が発生する従量課金制が基本のため、マーケティングに活用する際にコストを不安視する方も多いでしょう。しかし、実際にはメールに比べて到達率・開封率が高いため、「相手に伝えたい情報を伝える」という観点ではSMSのほうが費用対効果が高いです。また、メールはメールアドレスの変更による機会損失が頻繁に起きますが、SMSの場合は一度携帯電話番号情報を得たら変更・削除されることは少ないため、長期的なメッセージ送信が可能です。
また、テレアポなど電話によるアプローチを行っている企業の場合は、電話の代わりにSMSを導入すれば顧客につながるまで何度も発信せずに済むため、通信コストや人件費の削減につながります。
SMSマーケティングの効果を高めるコツ
メールに比べて費用対効果が高いとされ、注目を集めるSMSマーケティングですが、十分なパフォーマンスを発揮するためにはいくつかのコツがあります。ここではSMSマーケティングの効果を高めるポイントを4つ紹介します。
これからSMSマーケティングを実践する企業はもちろん、「SMSマーケティングをやってみたけど、期待するほど成果につながらなかった」という方も、ぜひ参考にしてください。
SMS送信サービスを利用する
SMSマーケティングを行う際は、「SMS送信サービス」の導入が必須です。SMS送信サービスとは、SMS送信を効率的に活用するための法人向けサービスを指します。
通常のSMSの場合は、電話番号同士の1対1のやり取りになるため、複数の相手に一斉送信ができません。また、一日に送信できるメッセージ数に上限があるため、そのままではマーケティング活動に使うことは難しいでしょう。
SMS送信サービスを導入することで、パソコン上でメッセージの作成・送信や、顧客管理が可能になります。サービスによっては、一斉送信、予約送信、効果測定、レポート作成などの機能も実装されています。そのほか、API連携機能があるサービスなら、面倒な開発作業を行うことなく、既存システムとSMSを連携させることが可能です。
このように、本格的にSMSマーケティングを行う場合はSMS送信サービスの導入は欠かせません。SMS送信サービスについて、さらに詳しく知りたい方は「SMSを一斉送信するには?SMS送信サービスの活用シーンやメリットを解説!」「SMS送信サービスのメリットとは?選び方やおすすめサービスを紹介!」記事も併せてご覧ください。
短文で有益なメッセージを届ける
SMSマーケティングでは、短い文章で相手に有益な内容を届けることを強く意識しましょう。そもそもSMSには文字数制限があります。(全角70文字〜670文字程度)
送信できる文字数が少ない分、無駄な情報を省いて、受け手にとって価値がある内容を配信する必要があります。SMS本文だけでは情報が不足する場合は、本文内にURLを貼り、外部サイトへ誘導することで情報を補うとよいでしょう。
SMSの送信可能文字数は、契約する携帯キャリアやSMS送信サービスによって異なります。各社の送信可能文字を詳しく知りたい方は「SMSには文字数制限がある?キャリア別・法人向けサービスの場合も解説」の記事を参考にしてください。
URLを送る場合は信頼性を担保する
SMS内に外部サイトのURLを貼る場合は、信頼性を担保する必要があります。近年、SMSを使ったフィッシング詐欺が急増しているため、URLが入ったメッセージは受信者側に不信感や警戒心を与えてしまいかねません。
文字数制限の関係などで、どうしてもURLを貼る必要がある場合は、自社ドメインを含んだURLにしたり、短縮URLではなく正式なURLを使用したりするとよいでしょう。偽造されたURLと明確に区別できるようにし、信頼性を担保することが重要です。
オプトインとオプトアウトの仕組みを明確にする
SMSマーケティングを行う際は、オプトインとオプトアウトを明確に掲示する必要があります。オプトイン・オプトアウトの掲示は「特定電子メール法」で定められており、違反すると処罰の対象となります。
オプトインとは、SMSやメールを使って広告や宣伝を行う場合において、あらかじめ受信者から同意を得ることです。一方、オプトアウトとはメッセージが不要なユーザーのために受信拒否設定を用意することを指します。
オプトアウトの掲示は、受信解除用のページで申請してもらうか、受信解除用のメールアドレスに連絡をしてもらうかの2種類の方法がありますので、いずれかを選択しましょう。
「特定電子メール法」について詳しく知りたい方は、「特定電子メール法とは?SMSにも適用される?注意事項をわかりやすく解説」の記事を併せてご覧ください。
SMSマーケティングの活用例を紹介
「SMSマーケティングを実践したいけれど、具体的にどのようなシーンで活用できるのだろうか」と疑問を感じる方も多いでしょう。
ここでは実際に多くの企業が行っているSMSマーケティングの活用例を紹介します。こちらの事例を参考に、自社ではどのような場面でSMSを使えるか考えながら読み進めてみてください。
キャンペーン告知/クーポンの配布
キャンペーン告知やクーポン配布はSMSとの相性がよく、おすすめの使い方の一つです。キャンペーン告知は多くの顧客に認知してもらうことが大切なので、到達率と開封率が高いSMSを活用することで、高い効果を発揮します。
また、リピートを狙ったクーポン配布にも利用されています。一度自社のSMSを受信した顧客は、同一スレッド内に新規メッセージが届くようになるため、過去来店したことを思い出しやすく効果的です。
新商品発売の告知
SMSは、専用アプリのダウンロードが不要で、スマートフォンやフィーチャーフォン(ガラケー)などデバイスを問わず利用できることから、幅広い世代に向けた新商品発売の告知などのプロモーション活動に最適です。
顧客のフォロー
SMSは既存顧客のアフターフォローにも活用されています。例えば、来店後に送信するサンキューメッセージや、イベント・セミナー開催後の資料・追加情報の送付などが挙げられます。
ほとんどのユーザーが日常的にスマートフォンなどのモバイル端末を持ち歩いているので、通知に気づいてもらいやすく、手厚いフォローをしやすくなります。結果として、ユーザーエクスペリエンス(=製品やサービスを利用したユーザーが得られる経験)の向上が期待できるでしょう。
アンケート
SMSの特徴である高い開封率を利用して、アンケート回答に活用する事例も多くあります。SMS送信サービスを使えば、商品やサービスを購入してくれたユーザーに対して一斉送信が可能です。アンケートフォームなどを活用すれば、回答結果が自動的に集計されるため、手間をかけずにアンケートの作成から集計まで行うことが可能です。
アンケート結果をもとに商品やサービスの改善を図ることで、さらなる顧客満足度向上につなげられるでしょう。
マーケティング以外のSMS活用例
SMSにはマーケティング以外にも様々な活用方法があります。ここではマーケティング以外のSMS活用方法を3つ紹介します。SMS送信サービスを導入すれば以下のような使い方もできますので、ぜひマーケティングへの活用と併せてご検討ください。
予約のリマインド
飲食店や美容サロンなどの予約のリマインドとしてSMSが活用できます。SMSの到達率・開封率の高さから、予約前日にリマインドメッセージを配信することで、予約忘れによる当日キャンセルや無断キャンセル(ノーショー)の発生を防ぎます。
近年、ネット予約が普及したことで無断キャンセルによる損害は社会問題化しています。SMSによる予約リマインドで売り上げ損失を防ぎましょう。
請求、督促
未払い金額の督促など、支払い額の請求にもSMSが多く使われています。電話やメールによる督促の場合、「何度電話してもつながらない」「メールアドレスが変更されて届かない」といった可能性がありますが、電話番号であれば変更されにくいため、高い確率で通知することが可能です。
本人確認(SMS認証)
SMSは本人確認(SMS認証)に利用されるケースが多くあります。SMSのメッセージ内にパスコードを記載し、そのパスコードを利用してサイトやアプリにログインをします。ID/パスワードだけのログインの場合は、第三者の不正アクセスのリスクがありますが、SMSなら本人の携帯電話端末と紐づいているため、セキュリティの強化につながります。
SMS認証について詳しく知りたい方は「SMS認証とは?仕組みやメリット、活用例・導入方法についても解説!」も併せてご覧ください。
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この記事では、SMSマーケティングのメリット、効果的に使用する方法、活用事例などを解説しました。メールに比べて到達率・開封率が高いSMSを利用したマーケティングは、企業の商品やサービスの販売促進に必要な手法になりつつあります。
今回解説した通り、SMSマーケティングを実施するうえでSMS送信サービスの活用は必須です。楽天シンフォニーが開発した楽天モバイルの「Rakuten CPaaS SMS API」サービスは、携帯電話やスマートフォンにSMS(ショートメッセージサービス)を一括/個別に配信し、企業と顧客のコミュニケーションに使える法人向けサービスです。
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